第46話 わらしべ長者12
ハツキタにカニ蔵というロクデナシがおるそうじゃ。
あんまり久々なのでいなくなったのかと思ったが、まだいたそうじゃ。
カニ蔵は「特製カニ缶バッチ」からスタートし物々交換を繰り返して、最終目標をあのハイブリッドカー「プリウス」にしようと『わらしべ長者』続行中なのじゃった。
前回のわらしべ長者からだいぶ更新していなかったので、カニ蔵ブログファンの皆様も忘れているじゃろうからおさらいをすると・・・
まずは
世界中で十数個しか出まわらなかった極レア品「カニ缶バッチ」

ということで、現在は理容の森で交換した「アンモナイトの化石」なのじゃった。
あるとき、カニ蔵がアンモナイトの化石を小脇に抱え、ハツキタ商店街をいつものようにプラプラしていると・・・
いままで見かけなかった店ができていることに気がついたのじゃった。
「モ・・・モウンタイン・・・・バ・・・バッカリ・・・。なんだこれは? 『モウンタイン』ばっかり売ってる店って事か?」
「それにしても『モウンタイン』ってなんじゃろう・・・」
帰国子女のカニ蔵は英語が得意なのじゃったそうな。
「とにかく入ってみよう。」
そう言うとカニ蔵は「モウンタイン・バッカリ」に入ってみたのじゃった。
「おぉ!ここがモウンタイン・バッカリか。なんじゃ、パンしか売ってないじゃないか。これじゃぁ『モウンタインバッカリ』じゃなくて『パンバッカリ』じゃ。」
「パンのいいにおいがするな。急激にお腹が減ってきたのじゃ!『モウンタイン』がなんだか知らんが、パンを売ってるようじゃから買ってみよう。」
「おや?おやおやおや~?」
カニ蔵は財布を持っていなかったのじゃった。
(腹が減ってパンを食べたいが、お金をもってないぞ!どうしよう・・・・)
「いらっしゃいませ。」
と、愛想のない店主が出てきたのじゃった。
「お・・・おぅ。『モウンタイン』を買いに来たが、無いようじゃな。」
「も・・・もうんたいん ですか?それは当店では売ってませんね」
「『モウンタイン』が無いじゃと! しょうがない店じゃな。」
「パンは買わないんですか?」
「そ・・・そうじゃな・・・(汗)」
その時、カニ蔵は『アンモナイトの化石』を持っている事に気がついたのじゃった。
「このパンとアンモナイトの化石を交換してやろうじゃないか!」
「立派なアンモナイトじゃろ?これとパンを交換してあげようと言っているのじゃ!嬉しいじゃろ?」
「ええええ~ それとパンを交換しろって言ってるんですか?」
「その通りじゃ!ありがたいと思え。」
そう言うと、カニ蔵は無理やりアンモナイトを愛想のない店主に押し付けたのじゃった。
「嬉しいじゃろ?そんな良い物をもらって嬉しいじゃろ?」
「は・・・はい」
と、愛想のない店主が答えたのじゃった。
「なんじゃ!せっかくアンモナイトとパンを交換してやったのじゃから、もっと嬉しそうな顔をしてもよさそうなもんじゃ!」
「いや、私はいつもこんな顔です」
「ダメじゃ!もっと嬉しそうな顔をするのじゃ!」
「じゃ、こんな感じですか?」
「ま・・・まぁ、そんな感じじゃな。」
そう言うと、カニ蔵は「モウンタイン・バッカリ」を出たのじゃった。
「あぁ腹が減った。早速このパンを食べようかの~」
と、その時初めて気がついたのじゃった。
(このパンを食べてしまうと、わらしべ長者が終わってしまうじゃないか!プリウスへの道が閉ざされてしまう!)
「くぅぅぅ・・・腹はへっておるが、ここは我慢じゃ!」
仕方なくカニ蔵はパンを持って帰ることにしたのじゃった。
(それにしても、あの「モウンタイン・バッカリ」の愛想のない店主の顔はちょっとイラッとするな)
腹が減ってイライラするカニ蔵じゃったそうな。
めでたしめでたし
☆☆☆☆マウンテン・ベーカリー☆☆☆☆
住所:札幌市西区発寒11条4丁目8-33
電話:011-671-6196
営業時間:10:00~18:00 定休日:日曜日
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